トランプ氏に融和的になったベゾス氏
ベゾス氏は24年に入って融和的な姿勢を見せるようになった。トランプ氏の大統領選勝利が決まった翌日には、Xで祝意を伝えていた。加えて、7月に東部ペンシルベニア州で起きた暗殺未遂事件の際には、このときのトランプ氏の行動を「危機的な状況下で冷静さ、優美さを保った」と称賛した。
ベゾス氏が保有するワシントン・ポストは大統領選の直前、特定候補を支持しないと表明した。実は同紙の論説委員会は民主党候補のカマラ・ハリス氏を支持する社説の草稿を用意していた。だがベゾス氏は10月下旬、同紙による支持表明の見送りを決定した。米国では大統領選で主要メディアが支持候補を示すことがあり、ワシントン・ポスト紙もこれまで数十年間そうしてきたが、今回その慣行を破った。
候補者支持見送り決定について、ベゾス氏は今回のイベントで振り返り、「私たちは反発があることを知っていたが、それでも正しいことをした。批判はあったが、我々の行動は決して臆病なものではなかった」と述べた。
ブルーオリジン vs. スペースX
一方、ベゾス氏のブルーオリジンには、これまで以上に超強力なライバルが登場したと言えそうだ。それはトランプ氏と米起業家イーロン・マスク氏の蜜月に起因する。
ブルーオリジンは今後、米連邦政府の契約獲得競争において、トランプ次期政権と頻繁にやり取りを行うことになるだろうとCNBCは伝えている。ブルーオリジンは、イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発会社スペースX(SpaceX)と直接的な競合関係にある。
マスク氏は、今回の大統領選においてトランプ氏の重要な協力者に転じた。マスク氏は同氏らが24年に設立した、トランプ氏支援のスーパーPAC(政治活動委員会)「アメリカPAC」に、7500万ドル(約110億円)もの資金を寄付した。