修正主義国家と化す米国

 イスラエルをめぐる米国とその同盟国の新たな衝突は、世界秩序の未来に関するはるかに大きな議論の一環だ。

 米プリンストン大学教授のジョン・アイケンベリーは、トランプが米国を、自国がかつて築いた自由な国際秩序のすべての要素に挑む修正主義国家に変えつつあると論じている。

 つまり、自由貿易、移民への開放性、多元主義、安全保障同盟、民主主義国同士の連帯、人権の保護といったものだ。

 ICCは国際的な法制度に比較的最近加わった機関で、運営が始まったのは2002年だ。

 米国、ロシア、中国、インド、イスラエルは、ICCの司法管轄を受け入れた世界124カ国には入っていない。

 だが、意図的にICCを破壊することは危険なメッセージを送ることになる。しかも権威主義的な国々が戦争を仕掛け、人権侵害を犯すことに自信を深めている時に、だ。

 世界で最も強大な力を持った国として、米国は国際法と国際機関に訴えることは軟弱なヨーロッパ人だけがやらなければならないことだと感じるかもしれない。

 だが、大国たる米国でさえ、同盟国と世界的なルールが必要だ。