トランプ政権がもたらす害
製造業の生産や貿易には重要な問題などないと言っているわけではない。製造業者のなかには、国家安全保障に欠かせないところもある。
国内で生産できるということが、その国にとって重要な外部性をもたらしている場合もあるかもしれない。
それでも、製造業がほかの産業よりも――例えばソフトウエア産業よりも――明らかに重要だという考え方はナンセンスだ。
同様に、経済構造の変化につれて、人々は新しいスキルの獲得において支援を必要とする。
人的資本を生み出す市場が存在しないことは一種の市場の失敗であり、介入が正当化される。
製造業を崇拝しても、かつての労働力を回復させることはできない。
それどころか、トランプ氏の関税はその目標を達成できないだけでなく、さらに有害な副作用を引き起こすことになるだろう。
特に重要なのは、関税、数百万の不法移民を強制送還する計画、そして減税の計画という3つの影響が衝突することだ。
それが政治経済の安定性にどのような結果をもたらすかについては、来週のこのコラムで論じたい。