すでにWBCが国際大会として盛り上がっている
五輪とは距離を置くメジャーは2006年からWBCを開催している。13年の第3回大会からは予選も実施し、メジャー組の参加も徐々に目立つようになってきた。
日本が優勝した2023年大会は大谷選手やダルビッシュ有投手(パドレス)らも代表メンバーとして世界一に貢献した。米国代表では当時の大谷選手のチームメート、マイク・トラウト選手(エンゼルス)が主将を務めた。
WBCは2026年に第6回大会が開催される。ワールドシリーズなどのプレーオフが秋に開催されるのに対し、WBCは開幕前の春先と時期も重ならない。WBCはシーズン開幕前ということもあり、選手の“本気度”を問う声もある。だが、大会自体は回を重ねるごとに盛り上がりをみせ、米大リーグ機構(MLB)や選手会に収益をもたらしている。
五輪とプロスポーツの関係では、野球以外の米4大プロスポーツのうち、五輪競技にないアメリカンフットボールを除くと、バスケットボールのNBAはトップ選手を派遣し、アイスホッケーのNHLは2014年ソチ五輪を最後に、参加を見送っている(※22年北京五輪は派遣予定だったが、コロナ禍の影響でとりやめになった)。
五輪と並ぶ世界最大級のスポーツイベント、ワールドカップ(W杯)がある男子サッカーは、五輪代表を原則23歳以下(U-23)で構成することで、棲み分けをしている。
一方、野球の本場、米国で開催される2028年ロス五輪では、野球が開催されるのなら競技会場はドジャースタジアムが有力とされる。28年には34歳となっている大谷選手は、今年7月のオールスター前日の会見で、「五輪は特別だと思う。ふだん野球を見ない人も見る機会が増えてくるので、野球界にとっても大事なことかなと思う。個人的にも出てみたいなという気持ちはもちろんある」などと出場に前向きな姿勢を見せた。
現役メジャー組でも、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手やフィリーズのブライス・ハーパー選手らトップ選手が出場に意欲的だ。