首班指名選挙は決選投票が確実か

 石破政権下で行われたこの10月の衆院選(定数465)で、自民党・公明党は大きく議席を減らして計215議席に落ち込みました。与党としては2009年以来、15年ぶりの過半数割れです。一方、野党の最大勢力は立憲民主党の148議席。どの政党も単独で過半数を得ることができず、1993年以来の本格的なハング・パーラメントとなりました。

 非自民・非共産の野党の数が7党(立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、社民党、参政党、日本保守党)に及ぶ状況も当時と似ています。

 はたして、今回はどのような政権が誕生するのでしょうか。

 首班指名選挙は衆参両院の本会議において記名投票で実施され、投票総数の過半数を得た議員が首相に指名されます。過半数に達しなければ、上位2人の決選投票にもつれ込むことになります。また、衆参で議決が異なった場合、両院協議会を開いて話し合いで決めることになっています。それでも決まらなければ衆院の議決が優先されます。

 今回の首班指名では決選投票になることが確実と言われています。各党間では激しい駆け引きが続いていますが、しばらくはニュースから目を離せない日が続くでしょう。

フロントラインプレス
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