2期目が1期目より悪くなるワケ

 しかし、トランプ政権の2期目は1期目よりもはるかにひどいものになりかねない。

 2016年には、目指していた大統領にはなったものの、そこから先については何をどうすればよいのか分かっていなかった。

 そのため、目標も関心も共有していない人々を側近に雇う羽目になった。

 今は違う。

 今日の共和党は、まさに2020年の大統領選挙の結果について行ったように、「偉大なる指導者」が真実を定義するとの考えを受け入れる忠実な人物で構成されている。

 シンクタンクのヘリテージ財団は「プロジェクト2025」という提言で連邦政府を手懐ける計画を策定しており、連邦最高裁判所は「公務」においては大統領は刑法を超越するとの判断を下している。

 トランプは自分の正しさが立証されたと感じ、復讐心を燃やしているはずだ。

赤字拡大、政敵への復讐、戒厳令・・・

 この状況を受けて、トランプは何をやってみようと思うだろうか。

 すでに巨額に上っている連邦政府の財政赤字をさらに拡大するかもしれないし、金利を低位に保つよう米連邦準備理事会(FRB)に圧力をかけるかもしれない。

 自分に忠実な人物を司法省や諜報機関、そして税を徴収する内国歳入庁のトップに指名できたら、自分の政敵だと見なす人物を遠慮なく訴えていく恐れもある。

 自分がこれまで何度も告訴されてきたお返しだと言ってそういった行動を正当化するかもしれない。

 前回の選挙の結果が承認されるのを防ごうと2021年1月6日に連邦議会議事堂を襲撃した暴徒には、恐らく恩赦を与えるだろう。

 軍隊の指揮権を使って自分の意のままに戒厳令を敷くかもしれない。

 そしてそれ以上に、独立しすぎていると見なされる米国のほかの部分を支配下に置こうと、連邦政府の機関を利用する恐れがある。