外国人投資家も冷め始めている

 さらに利上げはここ数年で猛威を振るった外国人による購入にも影響を与える。

 日本の金利の上昇と欧米の中央銀行による金利引き下げが同時にすすむと金利差が縮小する結果、為替は円高に振れる。

 円高は当然外国人の投資マインドを冷ます効果がある。

東京都中央区の日銀本店=2023年2月14日(写真:共同通信社)東京都中央区の日銀本店=2023年2月14日(写真:共同通信社)

 海外富裕層は現金で気楽に日本のタワマンを買ってきたが、円高は彼らにいったん投資を手仕舞いさせる誘因となる。新たに投資をする際には、円高は「物件価格の上昇」となるからだ。

 逆に所有してきたタワマンを売却すれば、当初想定していた自国通貨換算では為替安に働くことから想定以上に値上がりしていることになる。

 また当初は日本に繰り返しやってくる彼らにとってホテル代わりに気楽に買っていたタワマンをいつも使うわけではないので当面賃貸に出してみようとする人が増えている。

 ところが先述したように月額賃料で数十万円を負担してでも借りる人は少なくとも日本人にはほとんどいないことに彼らは気がつき始めている。

 最近、彼らの一部には日本のタワマンが全く期待利回りに達しないことに失望感を深める人が出始めているという。

 今後はもっと価格が下がって投資利回りにフィットするようになるのを待つか、賃料が大幅に上昇して利回りが期待値まで上がってくるのを待つかになるだろう。