(写真:momo.photo/イメージマート)

(牧野 知弘:オラガ総研代表、不動産事業プロデューサー)

>>「返済総額1500万円増も現実に? 35年変動・8000万円のペアローンを組んだパワーカップルを待つ金利上昇の深刻な影響【利上げとタワマン:住宅ローン編】」から続く

タワマン投資家にとっては完全なバッドニュース

 タワマン購入層のもうひとつのカテゴリーが国内外の投資家層だ。不動産投資を行う投資家にとって金利引き上げは完全なバッドニュースだ。

 資金調達レートが上がることは物件購入をするときの負担増になるだけでなく、投資する物件に対する期待利回りを上げなければならなくなるからだ。

 不動産投資を行う際の基本は、取得しようと考えている不動産に対する期待利回りだ。つまりその不動産を取得して、外部テナントに賃貸した場合、取得価格に対してどのくらいの賃料収益を「期待」するかで投資を判断する。

 そして年間で得られる賃料収入を取得価格で割った料率を表面利回り(グロスレート)という。

 湾岸エリアに実在するあるタワマンの例で考えてみよう。

 このタワマンは5年前に売り出され好評のうちに完売している。現在中古マーケットで販売中の専有面積70.09m2(21.20坪)の住戸Aを取り上げて分析してみる。