販売台数でなく、月間プレイ時間、アクティブユーザー数で目標設定

 例えば現在、主力事業であるゲーム&ネットワークサービス事業においては、事業のありたい姿を、「To Be “The Best Place to Play”『最高の遊び場』を実現する」とし、創出価値を、①感動体験で人の心を豊かにする、②クリエイターの夢の実現を支える、としている(図表5)。

出所:『売上目標を捨てよう』(青嶋 稔、インターナショナル新書) 
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 このゲーム&ネットワークサービス事業を担うソニー・インタラクティブエンタテインメントを事例に、ソニーグループがどのような目標をもって事業を展開しているか紹介したい。 

 過去、ゲーム&ネットワークサービス事業では「プレイステーションの販売台数」を目標として設定していた。だが同社が目指すのは、「感動体験で人の心を豊かにする」ことだ。これを遂行していくためには、より顧客体験に軸足を置いた目標設定をすべきである。

 そこで同社では、目標を販売台数ではなく、ユーザーあたり月間プレイ時間、ゲームプレイDAU/MAU(%)などに変更した。DAUとは、1日のアクティブユーザー数、MAUとは月間のアクティブユーザー数である。つまり、購入してもらった台数ではなく、購入してくれたユーザーがどれだけアクティブなユーザーとなっており、どれくらいの時間、プレイステーションで遊んでいるのかを数字で追いかけ続けることにしたのだ(図表6)。

出所:『売上目標を捨てよう』(青嶋 稔、インターナショナル新書) 
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