顧客体験の高度化×継続的収益=リカーリングモデルで高収益

 顧客体験を高めながら継続的に収益を得るビジネスモデルをリカーリングモデルというが、ソニーグループは、全社でリカーリングモデルへ事業転換を進め、収益を大きく伸ばしている。

 実際に、ソニーグループのゲーム&ネットワークサービス分野の売上と利益の変遷を見てみよう。02年にBBユニットという外付けネットワークユニットを発売し、06年にはプレイステーション3を発売、ネットワーク機能を標準搭載とした。10年には「PlayStation Plus」というサブスクリプションサービスを開始し、15年から17年の中期経営計画において、リカーリングモデル事業の強化戦略を発表した。

 リカーリングモデルに大きく戦略転換をした結果、21年度のゲーム&ネットワークサービス分野の売上は、約2兆7400億円、営業利益は約3460億円。売上に対する営業利益率12.6%の高収益事業となった。

 ソニーグループの事例は、販売台数という売上を追うのではなく、顧客体験を高めていくことが、企業収益をも大きく高めることを実証している。