前半で主導権を握りたい城西大と創価大

 レース全体を占う意味でもケニア人留学生を擁する城西大と創価大の動向にも注目したい。

 城西大は前回、3区ヴィクター・キムタイ(3年)が区間賞を獲得して2位に浮上。4区で青学大に逆転されるも、最終6区で再逆転して過去最高の2位に入った。

 キムタイと前回1区(9位)を任された10000m27分台の斎藤将也(3年)が今回も主要区間を担うことになるだろう。また関東インカレの1部10000mで28分03秒13の2位に食い込んだ主将・平林樹(4年)は8月に故障があったものの、エントリーに滑り込んだ。

 9月中旬の取材では5000mで13分49秒44を持つ久保出雄太(4年)が「1区」、斎藤が「2区」を希望区間に挙げていた。前回4区2位の林晃耀(4年)は、「4区で区間賞を獲得したい」と話している。

 出雲駅伝の目標は「5位以内」と控えめだが、攻めのオーダーを組むことになれば、前半区間で青学大を脅かす存在になりそうだ。

 創価大は前回、「失格」となったものの、3区の留学生で2番手に浮上して、そのまま2番目にゴールしている。常に城西大の前でレースを進めた。

 チームは「3位以内」を目標に掲げており、榎木和貴監督は前回同様に前半から波に乗りたいと考えている。そのため日本インカレ5000mで独走Vを飾ったスティーブン・ムチーニ(2年)と前回5区で“幻の区間賞”となった吉田響(4年)を前半区間に起用するプランがあるようだ。

 吉田は今季4レースに出場して、すべて自己ベストと絶好調。本人は箱根駅伝で「山の神」を目指しているが、出雲駅伝でも爆走を見せるだろう。