被災者は主流メディア報道など全く知らない

 南部の事情に詳しいジャーナリストG氏によれば、今回被災している住民の大半は、2020年にトランプ氏に票を入れたトランプ支持派。

 それ以降、現在までトランプ氏を支持してきた人たちだという。

 見るテレビは共和党系FOXニュース、聴くのは保守派コメンテーターの「偏った解説付きのニュース」。

 これにSNSの流すフェイク情報が頼りだ。主流メディアなど見たり、読むチャンスはゼロだ、といわれている。

 G氏はこう指摘する。

「例えば、現在主流メディアが報じているワシントン・ポストのボブ・ウッドワードの新著『War』で、ショッキングな情報を暴露していることなど全く知らないだろう」

「①トランプ大統領(当時)がロシアのウラジーミル・プーチン大統領にコロナウイルス・テスト器具「Abbott Point of Care」を秘かに送っていたことや、②大統領退任後も7回も電話で話していたことなどだ」

cnn.com/bob-woodward-book-war-joe-biden-putin-netanyahu-trump

「またメラニア夫人が新著で、トランプ氏の反移民政策や反妊娠中絶政策には真っ向から反対しているという話も知らないに違いない」

 ハリケーンをめぐるトランプ氏対バイデン・ハリス陣営の激しい「Weaponizing War」に激戦州、特に被災地の無党派層や共和党支持層はどういった判断を下すのか。

 そうした政治的なインパクトはインパクトとして、テクニカルな選挙プロセスには大きな変化が出てきそうだ。

 ニューヨーク大学民主プログラムセンターのケビン・モリス教授はこう指摘する。

「被災地域の投票所はどのくらい残せるのか。大半を郵送による投票に切り替えることが可能かどうか」

「投票手続き、投票方式ルールの変更など投票プロセスを大幅に変更することを余儀なくされてきた」

 そのことがトランプ氏の金城湯池を突き崩すことになるのかどうか、投票日まで25日を切った。