FEMAは移民対策でカネを使い果たした?

 前述のようにハリケーンに際しての大統領や候補の言動は、直ちに支持率に響くし、大統領選の真っ只中であれば投票を左右する。

 ハリス副大統領は9月30日、フロリダ州バルドスタを、トランプ氏は10月2日同州オーガスタを視察し、被害状況や救援活動をつぶさに見て回った。

 ところが現職でないトランプ氏は、今回のハリケーンに具体的な対策を打ち出す権限はない。

 そこでトランプ氏は、バイデン・ハリス政権の対策不備を叩く戦術に出たのである。

 集会での演説やイーロン・マスク氏が所有する「X」(旧ツイッター)を使って、被災者にこう訴えた。

「FEMAは緊急事態に使うべきカネがもはやない。なぜか。みんな移民対策に使ってしまったからだ」

「バイデン政権にはハリケーン対策に使うカネがない。移民対策と外国での戦争(ウクライナ戦争を指す)にみんな使ってしまったからだ」

「FEMAが皆さんに避難所へ行くよう命令しているようだが、これはフェイク情報だ。従ってはならない」

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