公共的空間の利用法は公共的な協議によって計画されるべきだ

 人と深い関わりがある自然であっても、人が「造り込んでいい」ということではなく、自然に対する人間の知見の不確実性がますます認識されている中で、「管理」も含めた人の営みと深い関係を持つ相互関係を前提としつつ、自然の論理を最大限活かした形での半栽培的な対応が必要である。

 自然の論理に関しては、生態学やランドスケーブ研究で明らかにされる知見が重要であり、それを活かした理念的対応が必要であろう。

 自然の関係的価値の主体は多様であり、環境正義的にも、多様な関係的な価値が重視されなければならない。処分権までも含むような、明治以来、近代日本で認められてきた強い所有権は、グローバルにみても近代的所有のあり方としては特異であり、人間と自然との関係性のあり方を考えたときに見直すべきである。

 江戸時代までにあったような重層的な所有のあり方に見直されるべきであり、公共財としての緑地空間のあり方を改めて再構築すべきではないだろうか。

 地権者の土地所有は認めつつも、その公共的空間の利用に関しては、公共的な協議によって計画が作られ、施行されるべきで、そのための新しい公共的な協議体が必要となると考える。