中国がアフリカのATM化

 ガーナのナナ・アクフォ=アド大統領は、2023年9月の国連総会での演説で、欧米とアフリカの不均衡で実りのない関係を鋭く批判し、「欧米の富の多くは、奴隷貿易の血と涙と恐怖、そして何世紀も続いた植民地主義と搾取の上に築かれている」と語っていた。

 2000年に中国アフリカ協力フォーラムが成立して以来、3年に1度、このフォーラムを開催してきた。この積み重ねによって中国は今やアフリカの最大貿易パートナーとなり最大の投資者で最大の債権者だ。一帯一路には52のアフリカ諸国が参加。2014年から2020年までに習近平は10回アフリカ訪問し、王毅外相は48回アフリカを訪れた。

 一般に一帯一路は概ね失敗し、中国による「債務の罠」と非難もされた。だが、アフリカについていえば、むしろ中国が深刻な汚職体質のアフリカ諸国政府にATM扱いされることに甘んじている。アフリカの対中債務総額は1340億ドル以上でその多くが不良債権化。なのに、新たに3600億元(約510億ドル)を投じるのだ。

 フォーリンアフェア誌の最近のリポートによれば、63%のアフリカ諸国人が中国のアフリカに対する影響力を肯定的にとらえている、というのも当然だろう。