そもそも黒ビールって何?

 ところで、「黒ビール」っていったいなぜ黒いのでしょうか。実は、麦芽の焙煎方法によります。

「黒ビールに使われている麦芽は、香ばしさと焦げた色合いを出すため高温で焙焦したもの。これを使うことで、独特の香りと色合いが出るんです」(中川さん)

 黒ビールも製法によって、ドイツ発祥の「ラガー」とイギリスが本場の「エール」に分かれますが、焙煎方法などによって下記4つのタイプに分類されます。

①スタウト
 アイルランド発祥のエール系ビールで、日本ではドラフトギネスがお馴染みです。スタウトとは、「どっしりとした」という意味の英語。その名の通り、しっかりした苦みと真っ黒な色合いが特徴です。

②ポーター
 ホップの苦さが特徴の、やさしい味わいのエール系ビール。比較的アルコール度数も低めで、炭酸も穏やか。強いビールは苦手だけど黒ビールの濃厚な味わいは楽しみたい!という人におすすめです。

③シュバルツ
 シュバルツとは、ドイツ語で「黒」のこと。濃い黒で濃厚そうですが、爽快感があり、コーヒーやチョコレートを思わせる香ばしさが楽しめるラガー系ビール。まろやかな口当たりで、すっきりしている飲みやすさが特徴。

④デュンケル
 ドイツのミュンヘンで昔から作られているラガービール。上の3つよりも軽い色合いで、ダークブラウンといった感じ。軽い口当たりで苦みも抑えられ、モルトの甘みが感じられます。黒ビールを初めて飲むなら、デュンケルから入るのがおすすめ。

 ひとくちにスタウトとかデュンケルといっても、味はさまざまありますし、黒ビールを普通のビールで割って飲む方法もあるので、無限の楽しみが広がりそうですね。