韓国メディアは京都国際のことはもちろん、甲子園自体についても特筆大書した。多くの日刊紙の日本特派員が直接甲子園に出かけ、京都国際の試合の様子を熱心に取材。京都国際が初戦で宮城の柴田高校を延長戦の末に5-4で制して初勝利を収めると、韓国の新聞は一斉に「日本の野球聖地に鳴り響いた韓国語の校歌」「韓国語の校歌が鳴り響いた甲子園」などのタイトルで試合状況を詳しく報道、その様子を写した写真は主要日刊紙の1面トップを飾ったほどだった。

3年前の夏の甲子園では準決勝進出

 さらにこの年は夏の甲子園にも出場。2回戦で群馬の前橋育英、3回戦で東東京の二松学舎大付属、準々決勝で福井の敦賀気比を破ってベスト4にまで進出した。準決勝では奈良の智弁学園に2-3で惜しくも敗れたが、もちろん韓国社会はこの時も大盛り上がりだった。

 その後、22年、23年と甲子園出場を逃していたが、今年は春に3年ぶりのセンバツ出場を果たしたのに続き、夏の甲子園にも出場、そのうえなんと決勝まで進む快進撃を見せているのだから、韓国メディアが連日ヒートアップするのも致し方あるまい。

京都国際の決勝進出を大々的に伝える韓国のニュース映像=8月21日、ソウル(写真:共同通信社)
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「この日の試合でも京都国際高校の選手たちが“東海の海 渡りし 大和の地は 偉大な祖先 古の夢の場所”という韓国語の校歌を歌う姿がNHKの放送を通じて日本全国に生中継された」(ハンギョレ新聞)

「“夏の甲子園”と呼ばれ、“夢の舞台”とされる日本全国高校野球選手権大会の決勝でも韓国語の校歌が鳴り響くことが期待される」(中央日報)

「京都国際高校の甲子園決勝進出は、スポーツの世界で時折起こる“マイノリティの反乱”であり、また韓日関係の興味深い断面と解釈され、日本のマスコミから格別の関心を集めている」(国民日報)