日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が2024年7月28日に東京で開かれ、在日米軍を再編して新たに「統合軍司令部」をつくることを決めました。自衛隊が創設する「統合作戦司令部」のカウンターパートとなるもので、日米が軍事面でさらに一体化を進めることになります。ところで、この重要な決定を下した「2プラス2」とは、いったいどのような会合なのでしょうか。どんな役割を果たしてきたのでしょうか。過去の経緯も振り返りながら、やさしく解説します。
日米安保の「2プラス2」とは
1960年に締結された現行の日米安全保障条約に基づき、日米両政府はさまざまな政策協議の枠組みをつくっています。そのうち、最も上位者の大臣級によって構成されているのが「日米安全保障協議委員会(Security Consultative Committee : SCC)」です。出席者は日本側が外務大臣と防衛大臣、米国側がそのカウンターパートの国務長官と国防長官。外交・防衛のトップが2人ずつ出席することから、この委員会を「2プラス2」と呼ぶようになりました。
この会合では日米の重要な外交・防衛問題が話し合われ、重要な決定があれば共同声明が出されます。
7月28日の2プラス2には、日本側から上川陽子・外務大臣、木原稔・防衛大臣、米国側からブリンケン国務長官、オースティン国防長官が出席しました。
共同声明を出した後の記者会見で、木原稔・防衛大臣は、日米同盟を現代化するための多くの取り組みを両国で確認したと強調。オースティン国防長官は「われわれは日米同盟の指揮・統制を近代化するという歴史的な判断を下した。在日米軍を統合軍司令部にアップグレードし、拡大したミッションと作戦責任を与える」と明言しました。
いったい、何が決まったのでしょうか。