(写真:Getty Images Plus)

 「質の高い睡眠」の重要性は理解していても眠れない時は寝れない……特に、この酷暑で「睡眠」に悩む人は多くいます。そこでつい調べる「実践法」ですが、あまりに多くて結局、何を信じればよいのか迷ってしまう――。

 今回は、そんな睡眠に関する「実践法」への誤解について、女優のベッキーさんが「ベッキーのごじあいLIFE」(ベッキーさんが毎週配信する健康的な生活の知恵)で睡眠コンサルタントに聞いたエッセンスをご紹介します。

(文=神田めぐみ)

➤「ベッキーのごじあいLIFE」詳細はこちら

「眠れなくても横になれ」は大間違い

 昔から言われている睡眠の知識。睡眠コンサルタントの友野先生はこれらの知識はアップデートするべき、と言います。

友野先生 世間にはたくさん「睡眠都市伝説」が転がっています。

 例えば、女性なら一度は聞いたことがある「肌のゴールデンタイムは22時から2時」。実はこれ、現代には全然当てはまらないルールなんです。

 というのも、寝始め3時間に成長ホルモンが多く分泌されるんですね。以前は、多くの人が22時、遅くても23時には寝ていました。今ほど、夜遅くまでお店が開いているようなこともなかった。だから「22時から2時の間がゴールデンタイム」と呼ばれていたわけです。

 でも現代は「24時間社会」とも言われるほど人によって生活サイクルは異なります。

 なので今は、現代の生活リズムに合わせて0時には寝てほしいというのが1つの軸になっています。新しいゴールデンタイムとしては「0時から6時」が目安。

 実際わたしは「頑張って22時に寝ようとしなくてもいいんですよ」とお伝えしています。

――友野先生はこうした「都市伝説」は数多くある、と指摘します。

友野先生 他にも私の時代は「寝られなくてもベッドに横になっていなさい」と言われていましたが、今は逆に「してはいけない」と言われてるんです。

 理由は、暗くて静かなところに一人でいると、色んな思考が頭の中を巡り、その思考に感情が呼び起こされますが、大抵はネガティブな感情です。

 それで興奮したり、不安感が強くなったりして、余計に眠れなくなってしまう。

 また『眠れない』とベッドの上で思うこと自体が、翌日以降の睡眠にも悪影響を及ぼす原因になります。30分ぐらい経っても眠れないなって思ったら、寝室から出た方がいいと言われています。

ベッキー でもだからといってテレビを見ちゃったら、またブルーライトで目が冴えちゃいますよね?

友野先生 そうなんです。なのでいくつかルールがあります。

 まずひとつ目は、“光の刺激を受けないことをする”。例えば読書、大人の塗り絵、ネイル、洗濯物を畳む、靴みがきなどです。単調な動きで頭をあまり使わず、光を浴びないことが重要です。

 ふたつ目は“時計を見ない”。時計を見ると、何時間眠れていないか、あと何時間後に起きなければならないかを無意識に計算してしまうので、絶対に時計は見ない方がいいです。

 最後に“眠たくなったらすぐにベッドに戻る”。「あとこれだけ読んじゃおう」とか、「もう少しだけやろう」ではなく、眠たくなったらすぐにベッドに戻ってその眠気のタイミングを逃さないことが大事です。

――眠れないけど、テレビやスマホは禁止……難しい提案ですが実践してみる価値はありそうです。

ベッキー 私も自分の体験を通して思うけど、睡眠ってちょっと頑張らないといけないんですよ。睡眠を意識したら肌が綺麗になったとか楽しいからもっと頑張ろう!みたいな、そういう前向きな感じでやるといいですよね。

ベッキーのごじあいLIFE「睡眠編」より

友野先生 あとは「すごい物音」で起きると「寝た感」が損なわれるということが言われています。だから何の音で起きるかっていう方が大事だったりします。

ベッキー 私は波の音です。そもそも目覚ましに頼ることが少ないです。大体6時半とか7時には自然と目が覚めるから。でも使うとしたら波の音。大きい音って嫌なんですよね。

友野先生 動物界では急な大きな音って、敵が来たことを知らせるサインなんですね。我々人間も動物の感覚を持っているので、いきなり爆音で起こされると交感神経が一気に優位になって、心地も悪くなりますし、体にも心にも良くありません。

 せっかくぐっすり寝ていても、その悪い目覚めのせいで睡眠の満足度がぐっと下がってしまうので、自然界の普遍的な音色で起きられるのが1番理想です。