(英エコノミスト電子版 2024年7月29日付)
急拡大するサプライチェーンは過剰拡大の危険をはらんでいる。
「過大投資のリスクよりも過小投資のリスクの方が劇的に大きい」
グーグルの親会社アルファベットを率いるスンダー・ピチャイ氏は先日、電話会議による決算説明会でこう語った。
ピチャイ氏は昨今の多くの企業経営者と同じように、人工知能(AI)の話をしていた。
もっと具体的に言えば、同社のクラウドコンピューティング部門が顧客のために稼働させているAIデータセンターの建設について語っていた。
投資額は目が飛び出るほどの高額だ。
アルファベットの設備投資額は今年、前年比で約50%増え、480億ドル(約7兆円)に達すると見られている。その大半はAI関連の設備に投じられる。
ピチャイ氏には仲間が大勢いる。
マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)も、7月30日の電話会議による決算説明会でAIに多額の投資を行う計画であることを再確認していた。
調査分析会社ニュー・ストリート・リサーチの推計によれば、アルファベット、マイクロソフトにアマゾン・ドット・コムとメタを加えた4社の今年のAIデータセンター建設費は計1040億ドルに上る。
ここに比較的小さなテック企業や他業界の企業による投資を加えると、2024~27年のAIデータセンター投資額は1兆4000億ドルに達する可能性がある。