旧ジャニーズ事務所べったりだった関係はどう変わる

 もっとも、今年の『24時間テレビ』の視聴率は未知数。2003年からメインのパーソナリティーを務めてきた旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)の所属タレントが、番組の顔ではなくなるからだ。

 この番組における日テレと旧ジャニーズ事務所の蜜月は日テレの中興の祖である故・氏家齊一郎氏と旧ジャニーズ事務所を統治していた故・メリー喜多川元会長の緊密な関係から始まった。

 氏家氏は『24時間テレビ』の視聴率が上げられると考え、一方でメリー氏は事務所のイメージアップになると思ったのではないか。2人が番組の黄色いTシャツを着て、並んでメイン会場に立つこともあり、まるで番組は日テレと同事務所の共催のようになっていた。

 だが、昨年3月に故・ジャニー喜多川元社長による児童らへの性加害が国際的に問題化したのは知られている通り。今年はSTARTO社がマネージメントする嵐の相葉雅紀(41)が保護犬問題を紹介するパートに登場する程度だ。

 もし、日テレが今年もSTARTO社と結び付こうとしたら、おそらくスポンサーの中から離脱する企業があった。まだSTARTO社との取引を開始していない企業がスポンサーの中には含まれているためである。

 そもそも福祉を広く訴える番組が、特定の芸能事務所と突出した関係となること自体が不自然だった。旧ジャニーズ事務所の流れを汲むSTARTO社と番組の関係が終わり、結果的に良かったと見る。この番組は日テレと芸能界全体で福祉を考えるべきだ。それによって視聴率が落ちてもいいではないか。この番組の第1の目的は視聴率ではないはずだ。