(写真:beauty_box/イメージマート)
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(柳原 三佳・ノンフィクション作家)

 今年も夏休みシーズンが到来しました。長期休暇を利用してロングドライブを予定している方も多いのではないでしょうか。目的地が遠くてもETCの休日割引や深夜割引をうまく活用すれば、高速道路料金がぐっと抑えられるので、上手に計画を立てたいものですね。

 ちなみに、今年は8月10~18日のお盆休み期間、土・日であってもETCの休日割引が適用されないとのことですのでその点はしっかりチェックしておきましょう。

弟名義のETCカード使用で「実刑判決」

 さて、2001年にETCが全国展開されてから今年で23年、最近はETC専用の料金所もかなり増えてきました。国土交通省の調べによると、2024年4月時点のETC利用台数は1日当たり822万台、利用率は94.9%となっており、いまやマイカーを持つドライバーにとって、ETCカードはなくてはならないアイテムとなっています。


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 そんな中、立命館大学大学院法務研究科の松宮孝明教授から、

「先日、大阪地裁で、家族内でのETCカード貸し借りについて、電子計算機使用詐欺罪の成立を認める判決が出たのですが、ご存じでしょうか」

 という驚きの情報が寄せられました。

「電子計算機使用詐欺罪……?」

 聞きなれない罪名に一瞬戸惑いましたが、私自身、「家族内でのETCカード貸し借り」は、日常的に行っているだけに、

「えっ、それって罪になるんですか? 私も夫名義のETCカードで何の疑問もなく高速道路を走っていますし、その逆もしょっちゅうあるんですが、それをすると逮捕されるってことですか?」

 驚いてそうたずねると、松宮教授は、

「この判決の結論を認めると、家族名義のカードでその家族が乗車しないまま高速道路を通行した人々が、みな同罪に当たるということになってしまいます。とはいえ、我が家だって私名義のETCカードで、私が同乗しないまま息子が高速道路を運転することもありますし、身近な友人や学生にも、同じような経験をしている人が少なからずいるのは事実です」