タイミーより怖いギャルからの評価
最初は楽しかったが、同じことの繰り返しなので、徐々に飽きてくる。くたびれる。店員やバイトの親しげな会話にも入れない。
「ああ、私もバーナーでえんがわを炙ってみたい、あと腰が痛い……」
4時間もやると疲弊する。中高年がタイミーで働くなら、体力がないと無理かもしれない。
「洗い場なんて肉体労働のうちに入らないよ」と言うおじさんに出会った。彼は半年前からタイミーを使い、回転寿司はじめ、ファミレスやイタリアン、中華料理店などの洗い場に50回ほど入ったという埼玉県在住のGさん(52)。
「初めてタイミ―に入ったのが仕事が休みの年末年始。家にいると酒飲んじゃって金がかかるし、それなら働いていたほうがいいと思って」
かすれ声のGさんは、日焼けしたマッチョおじさん。普段は工事現場の一人親方として現場仕事をしている。今いる現場は高速道路の基礎工事だという。
Gさんの本業の月収は手取りで50万円ほど。今のところ生活に困ってはいないというが、退職金もボーナスもない個人事業主だから、働けるうちにお金を少しでも増やしたいという思いがある。
Gさんは今、本業の後に週に1〜2日、1回3〜4時間ほど、都内の飲食店に入っている。この半年で20万円以上は稼いだ。やはり中高年の副業に「体力」は欠かせない。
そんなタイミーおじさんにも敵がいる。
「あるファミレスに入った時、店員がギャルばっかりで。アレは無理だった」
「それなー」「まじかー」という会話が飛び交うギャルだらけの厨房で、Gさんは完全に浮いたという。「臭いと思われてないか」など、ギャルからのジャッジを恐れるおじさんは多い。
「でも一番最悪なのが、全く指示のない店。終了時間になっても「上がっていいよ」という声かけもなし。ムカついたから『もう二度と行かない!』って、レビューに書いた」
タイミーでは、働く側が雇う側を評価することができる。評価の低い職場は選ばれなくなる。
一方で働く側も、雇う側から「グッド」か「バッド」で評価される仕組みだ。ちなみにGさんは「グッド率100%」だという。