24年5月には、今後5年でシンガポールへの投資額を倍増させると発表。28年までに120億シンガポールドル(約1兆4000億円)を追加投資すると明らかにした。同国でのクラウド事業の拡大を図るほか、デジタルスキルの向上と生産性の向上に力を注ぐ。

 また24年3月には、サウジアラビアでデータセンターを開設し、同国で53億ドル(約8500億円)超を投じると発表。AWSインフラストラクチャーサービス担当副社長のプラサド・カリアナラマン氏は「サウジアラビアのデジタル変革を支援し、中東全域で急増するクラウドサービスへの需要に応える」と意気込みを示した。

 AWSは今後、サウジアラビアやマレーシア、タイ、ニュージーランド、欧州、メキシコにおいて6つのリージョンと、計18のアベイラビリティーゾーン(AZ)を新設する。WSJによると、AWSは米バージニア州や米オハイオ州など、米国でも事業を拡大している。

AWS事業、アマゾン営業利益の7割占める

 アマゾンのクラウド事業は、同社の利益拡大のけん引役である。23年1~3月期におけるAWSの営業利益は94億2100万ドル(約1兆5200億円)で、前年同期から84%増加した。同事業の営業利益はアマゾン全体の7割を占める。

 アマゾンのアンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)は決算説明会で、「AWSが持つAI機能が事業成長を再び加速させている」とし、同事業の年間売上高が1000億ドルに達したと説明した。ブライアン・オルサブスキーCFO(最高財務責任者)は、「生成AIの成長と強い需要により、24年の設備投資は前年比で大幅に増加する」との見通しを示した。

 カナダのサプライチェーン・物流コンサルティング会社、MWPVLインターナショナルは、アマゾンが今後数年間に少なくとも216の新しいデータセンターを建設するとみている。

 こうした中、ジャシーCEOは、同社が様々な事業を通じてAI製品に注力するという、新しい方向性を定めている。同氏は、オンライン小売事業、Amazon Prime、AWSに加え、生成AIが次の成長の柱にとって重要とみている。