広島市の松井一實市長の定例会見の様子(筆者撮影)
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 20年近く勤務した新聞社を退社し、フリーランスの取材者になってから、早いもので今月で3年。フリーになったことによる最大の変化は、自分が発信するものが載る媒体が増えたこと。インターネットや雑誌だけでなく、かつて競合他社だった新聞に自分が書いたものが掲載されたりもした。YouTube番組のMCもやっている。

 取材し、文字にして記事にまとめるだけでなく、人前で話をする仕事が増えたことで、何かを伝える立場の者として、これまで使ってきた筋肉とはまるで違うパーツを駆使して仕事をしていると感じる。まだまだ、鍛え方が足りないのだが。

 もう一つ大きな変化がある。それは「記者会見」に赴くことがぐっと減ったこと。

記者クラブの会見、フリー記者がひしひし感じる「アウェイ感」

 新聞社時代はしょっちゅう行っていたのに、とんと無縁になった。だが便利な時代。例えば、広島市長の記者会見は、ネットで生配信がある。記者クラブ所属でないわたしのような記者でも、なんなら記者でなくても市民誰でも、リアルタイムで見ることができるのだ。

 もちろん質問の機会はなく、それを見ながら「そこ更問いしないの」と感じたり、翌日の新聞を読んで「あんな大事なことを、そんなにさらっと報じるの」と思ったりすることが多くなった。