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「こどもがまんなかの社会(しゃかい)を実現(じつげん)するために こどもの視点(してん)に立(た)って意見(いけん)を聴(き)き、こどもにとっていちばんの利益(りえき)を考(かんが)え、こどもと家庭(かてい)の、福祉(ふくし)や健康(けんこう)の向上(こうじょう)を支援(しえん)し、こどもの権利(けんり)を守(まも)るための こども政策(せいさく)に強力(きょうりょく)なリーダーシップをもって取(と)り組(く)みます」

 ご丁寧に読みがなまで入った文章。昨年4月1日、「こどもまんなか」を理念に掲げ、鳴物入りで発足した「こども家庭庁」の公式サイトトップページに書かれているものだ。

「こどもの視点に立った」「こどもにとっていちばんの利益」。耳心地がいいすてきなフレーズが散りばめられているけれど、正直わたしは白々しさしか感じない。よう言うわ、と。

放課後児童クラブのサービス向上策としての長期休暇中の弁当提供

昨年6月、東京・練馬区で学童保育を視察する小倉將信・こども政策担当大臣(当時。写真:共同通信社)

 そう感じる理由は明確にある。それは、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育)を利用する小学生の保護者として、遭遇したある出来事だった。

 放課後児童クラブの「サービス向上」と銘打って、わたしが暮らす広島市は昨年度、つまり2023年度から、夏休みや春休みなど長期休業中の利用時に子どもに持たせる弁当を、実費保護者負担で業者から注文できる仕組みを導入した。