5.米欧とロシアの電子情報の収集・解析能力

 事前に解析した電子情報はレーダーの種類によって大きな違いがある。 また、同じ種類でも製造番号が異なれば小さな違いがある。

 キャッチする側からすれば、平時にその大きな違いは解析できていた。米欧は、例えばS-300/400の識別、戦闘機の「スホイ」と「ミグ」、スホイでは「27/30/34/35」の識別ができていたはずである。

 また、S-500についても、開発しているという情報を基にエリント機をその周辺に飛行させて電子情報を入手し、解析していたとみてよいだろう。

 Oryxの視認情報では、ウクライナのS-300/400用のレーダーは破壊されているが、パトリオット用のレーダーは破壊されていない。

 ということは、ロシアはパトリオット用レーダーの識別はできていないと考えられる。

 ロシアがこれまでに、ウクライナに供与される「F-16」戦闘機の電子情報を収集し解析できているかどうかで、F-16の撃墜あるいは地上での破壊に大きな差が出てくる。

 電子情報が分かっていて、その情報を追いかけて行けば、今飛行しているのがF-16なのかどうか、また着陸する飛行場がどこにあるのかが分かるはずである。