動物の基本は眠っている状態? 

「眠らない動物は、今のところ見つかっていません。だから、おそらくあらゆる動物は眠ると考えられています。けれども、眠りをコントロールする遺伝子が見つかっているわけでもない」

「今のところ明らかになっているのはサーカディアン・リズムの存在です。体内時計はほぼ24時間単位でコントロールされていて、その遺伝子も明らかになっています。けれども眠りについての決定的な遺伝子、具体的にはその機能を停めてしまうと、眠らなくなるような遺伝子は見つかっていません」

 だとすれば、動物とは本来眠っている状態がデフォルトであり、起きている状態をオプションとする考え方も成立するのではないか。仮に動物とは基本的に眠っている生き物であり、活動などで必要なときだけ起きるのだとすれば、「そもそも冬眠物質などは存在しない可能性も考えられます」。

冬眠様状態のマウス(右)は覚醒しているマウスよりも体温が低い(写真:砂川氏提供)
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 もちろん今後、冬眠遺伝子発見の可能性はある。ただし、その場合でも「おそらくは数十個の遺伝子が関連して機能している可能性が高いでしょう」と砂川氏は予測する。