刑事告発や学歴詐称という非難が不当であるなら、相手を誣告罪や名誉棄損で訴えればよいだけの話だ。それをしないのは、自分が学歴詐称をしていることを小池氏自身がよく知っているということだ。今回の選挙にあたって、「AIゆりこ」任せで、街頭演説を避ける方向であることや、昨日の公約発表をオンラインにしたことも、学歴詐称の指摘から少しでも逃げるためだろう。

朝堂院大覚氏の告発

 小島氏の刑事告発に先立つこと1週間の6月11日、カイロ時代の小池一家の面倒をみてきた朝堂院大覚氏が都庁記者クラブで記者会見を開いた。同氏の証言については、石井妙子著『女帝 小池百合子』でもある程度触れられているが、表舞台に出てきたことに筆者は、ついに出てきたかという思いを禁じ得なかった。

 朝堂院大覚氏は本名・松浦良右(りょうすけ)で、現在83歳。同志社大学法学部を卒業後、船舶専門の空調・冷凍設備メーカー、浪速冷凍機工業(後のナミレイ)に入社し、会長を務めた人物だ。同氏は、エジプト産原油を輸入する事業が左前になり、債権者から追われるようになった小池氏の父・勇二郎氏と小池一家の面倒をみていた。

 朝堂院氏は記者会見で、次のような内容を述べた。

 小池氏のアラビア語はせいぜい「こんにちは」「さようなら」「あなたが好きです」と言えるレベルで、到底、大学教育に耐えられるものではない。カイロ大学には父親が持っていたエジプトのアブドル・カーデル・ハーテム副首相とのコネで、2年に編入した。しかし、初年度の進級試験の答案はほとんど白紙で、3年生になれなかった。小池氏は大学に行かなくなり、当時付き合っていた岡本秀樹という日本人の空手家と一緒に空手の雑誌をつくりたいと言ってきたため、朝堂院氏が(400万円ほどの)金を出し、カイロで1年ほど空手の雑誌をつくらせた。

 これらの証言は、北原百代氏の証言とも符合し、北原証言に匹敵する重大な証言である。

 朝堂院氏は、「小池百合子は朝から晩まで嘘をついており、そういう政治家がいると国が亡びる」とも述べた。