騙したお金で優雅な海外旅行、それでも「弄ばれた」とは

 検察側の冒頭陳述では、早貴被告が被害者から受け取ったカネで海外旅行を予定していたことも明らかにされた。だとしたら、やはり相当したたかな女性というべきだろう。

 実際の早貴被告はどのような女性なのか。

 18年5月の殺人事件発生後にも早貴被告と親交があったジャーナリストの吉田隆氏は早貴被告に対して「もしやっているのなら自首したほうがいい」と何度か進言したという。しかし彼女はこれについて「やっていませんから」と一笑に付したという。

「(野崎さんと入籍する前の)17年12月に早貴被告に初めて会ったとき、自分はモデルで、個人で中国や中近東のファッションショーで活躍をしていたと語っていました。事務所には所属していなく、自分で出演のオファーを取っていたと言っていたので、『眉唾ものだな』と感じました。というのも彼女の英語は流暢でなく、あの程度ではとても自分で契約をすることは出来ないと思っていたからです。

 多分見栄を張りたかったのでしょうが、自身のフェイスブックでは母親と一緒に行ったモルディブ旅行などの写真がアップされていました。旅行の様子も英語で記載されていましたが、その文章はおそらくPCの翻訳機能を使って作ったものでしょう。単純なスペルミスや文法ミスが散見されるようなものでした。早貴被告にはそれをチェックする能力が無かったのだと思います。それらの投稿はなぜか殺人事件から半月近く後に削除されています」(吉田氏)

 やはりウソと見栄で塗り固められた女性ということか。

「彼女は身長167センチと高身長でスリムなのに『バストはFカップ』と笑いながら自慢をしましたので、自分の“武器”の威力はしっかりと理解していたのでしょう。その威力を遺憾なく発揮して、騙した“パパ”のカネで海外漫遊を楽しんでいたのに、裁判で『弄ばれた』と言ったのには違和感しかありません」

 冒頭陳述ではパパ活男性と早貴被告とのLINEのやり取りも明らかにされている。

「いつも助けてくれるから早貴も●ちゃん(被害男性)大好きだよ」

 こんなメッセージに気を許したばかりに、3000万円もの大金をだまし取られた揚げ句、「弄ばれた」と被害者面されたのではたまったものではない。

 この公判は5月17日に証人尋問、27日には被告人尋問、そして7月5日には論告求刑が行われ、判決は9月2日には言い渡される予定である。

 ただ殺人事件のほうの裁判予定はまだ発表はされていない。“本丸”ではない詐欺事件の裁判も一筋縄ではいきそうにない展開になってきた。こちらからも目が離せない。