大阪・関西万博をPRするイベントで、開幕まで「365日」をしめすカウントダウン時計とポーズをとる公式キャラクター「ミャクミャク」=4月13日、大阪市(写真:共同通信社)

 一歩間違えていたら大惨事だった。

 3月28日午前11時頃、大阪市此花区の大阪・関西万博会場予定地の夢洲(ゆめしま)で作業員が屋外イベント広場にあるトイレで溶接作業をしていたところ爆発が起きた。地下にたまっていた可燃性ガスに火花から引火したとみられる。

 コンクリートの床など約100平方メートルを破損したが、けが人が出なかったのがせめてもの幸いだった。

信じられなくなった「万博の開催時に危険はない」の大臣答弁

 可燃性ガスは地下のメタンガスとみられるが、この万博会場地下のメタンガスをめぐっては、以前から問題視されていた。

 23年11月29日の参院予算委員会で社民党の福島みずほ参議院議員は、万博会場となっている現場の土壌改良の必要性について次のように質問している。

「何で万博会場は土壌改良をやらないんですか。有害物質の上でやるんですか。今、ここ、現場でメタンガスが出ていますよね。どういう状況ですか」

 これに対し、自見英子万博担当相は「御質問いただきましたメタンガスは、2014年に大阪市等が設置をいたしました大阪広域環境施設組合が会場を含めた夢洲の一部において発生を確認し、管理を行ってきたと聞いてございます」と発生を認めている。

 だが続けてこう述べている。

「大阪市が廃棄物の処理及び清掃に関する法律に関連する省令に基づき配管施設を設置し、また発生しているガスを大気放散していると聞いてございまして、万博の開催時に危険はないと考えているところでございます」

 なんとも楽観的な見解ではないか。福島氏は「メタンガスに火が付いたら爆発をします」と迫ったが、実際に福島氏が懸念したような事態が起きてしまったわけだ。

自見英子万博担当大臣(写真:共同通信社)

 今回はケガ人がでなかったが、現在もメタンガスは発生していると考えてよい。このような危ない土地の上で万博が開催されようとしていることを、われわれは強く認識しなければならないだろう。