エレベーターのすぐ横に、階段に通じる通路があり、扉が付いている。列車の発着・通過時(現在湯西川温泉を通過する定期列車はない)時に発生する突風を避ける仕組みが、トンネル駅の大きな特徴だ。ただ、撮影時には扉は開いており、列車到着時にこの扉が閉められるのかどうかは確認できなかった。

 階段に通じる通路には、職員手作りと思われる野岩鉄道全駅の写真と手書きコメントが掲示されていた。駅だけでなく途中にあるトンネルの名称や長さも書かれているので、なかなか見ごたえがある。

 外から見た駅舎が、次の写真の左端だ。その右側には道の駅の建物が直結し、さらに右に温泉施設まである。外に出ずにお湯につかってそのまま帰る、なんてことも可能だ。

 写真手前の道路は、湯西川温泉郷に通じる県道249号で、駅舎の前に湯西川温泉郷行きのバスが止まっている。

 一口に「トンネル駅」と言っても、筒石や美佐島などの地域住民のための駅と、湯西川温泉のように観光客主体の駅では、ずいぶんようすが違うことを実感した。

 山岳トンネルの中、地中深くに作られたそのほかの「トンネル駅」については、こちらの記事で紹介している。
なぜ駅をわざわざそこに作った?数少ない「トンネル駅」が地中深くに誕生したふしぎな理由