今年もゴールデンウィークが終わり、また仕事に精を出さなくてはならないつらい日常が戻ってくる。この時期は、体調を崩したり、気持ちが落ち込んだりという、いわゆる「五月病」を起こす心配がある。これは、新年度で気を張って過ごしていた疲れがどっと出て、職場に行く気力が失せてしまうことが原因と言われている。
そんな五月病の症状を和らげるかもしれない宝くじが発売開始となる。5月8日から発売されるドリームジャンボ宝くじだ。最高当せん金は、1等前後賞合わせて5億円と高額に設定されている。
今回の宝くじは、「能登半島地震被災地支援」と銘打って行われる。4月に発売されたインターネット専用くじ「クイックワン」でも同様の支援が行われた。クイックワンでは数億円と見込まれる収益金の全額、ドリームジャンボ宝くじでは収益金のうち40億円が被災自治体に優先的に配分されることになっている。
同様の被災地支援の宝くじは、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災をはじめ、最近では2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨で行われてきた。今回も地域の復興に宝くじが役割を果たすことが期待されている。
くじを買うことで、被災地の復旧・復興に貢献できる。被災地への応援だと思えば、くじを買う意欲も高まるだろう。
>>【表】気になるドリームジャンボ、ドリームジャンボミニの当せん確率と期待値
1000万円や100万円の当せん本数が大幅に増加した「ドリームジャンボ」
ドリームジャンボ宝くじには、他のジャンボ宝くじと同様、「ジャンボ」と「ジャンボミニ」の2つがある。今回、「1等前後賞合わせて5億円」のうたい文句で発売されるのは、ドリームジャンボだ。これに対して、ドリームジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞合わせて5000万円となっている。
それでは、まずドリームジャンボについて詳しく見てみよう。当せん金、当せん確率、当せん金の期待値の主な変更点をまとめると、次のとおりとなる。
【ドリームジャンボの主な変更点】
①当せん金1000万円の2等の当せん本数が、昨年の1ユニット(1000万枚)あたり2本から、今年は4本へと倍増
②当せん金100万円の3等の当せん本数が、昨年の1ユニットあたり70本から、今年は200本へと2.86倍に増加
③当せん金5万円の4等が新設され、当せん本数は1ユニットあたり1000本とされた
④当せん金1万円の5等(昨年は4等)の当せん本数が、昨年の3万本から、今年は1万本へと3分の1に減少
*くじ1枚300円に対する当せん金の期待値は、昨年の149.99円と変わらず
今年の宝くじでは、当せん金1000万円の2等と当せん金100万円の3等の当せん本数が大幅に増やされている。そして、当せん金5万円の4等が新設されている一方、当せん金1万円の5等の当せん本数が減らされている。これらの増減により、組み替えが行われたことになる。
この、当せん金1000万円の2等と当せん金100万円の3等の当せん本数が大幅に増やされる一方、当せん金1万円の5等の本数が減らされるという組み換えは、昨年の年末ジャンボや今年のバレンタインジャンボと同様の動きだ。最近のジャンボ宝くじは、当せん金100万円以上の高額当せんに重点を移しているといえるだろう。
それでは、100万円以上の当せん金を当てるには、どれだけくじを買ったらよいのか。計算してみると、100万円以上の賞金が当たる確率は0.00207%なので、この数字の逆数をとることにより、平均的には、4万8310枚のくじを買うと100万円以上の賞が1本当せんするという結果になる。
これだけの枚数のくじを買うと、100万円未満の複数の当せんも期待できる。平均的には、4等4本、5等48本、6等483本、7等4831本の当せんが期待できる。こうした4等から7等の当せんにより、平均的に当せん金357万8300円が受け取れる。100万円以上の賞の当せんと合わせて、457万8300円以上の当せん金の受け取りが期待できることになる。
ただし、1枚300円のくじを4万8310枚買うためには、1449万3000円が必要となる。たとえ3等100万円が1本当せんして457万8300円の当せん金を受け取ったとしても、991万円以上もの持ち出しとなってしまう。大量購入を考える場合には、購入額と当せん金の受取額の関係に十分注意しておく必要があるといえるだろう。
ドリームジャンボは、「『1等前後賞合わせて5億円』の一攫千金を中心に、100万円以上の高額当せんを狙うための宝くじ」と位置づけられる。