ついてきてというようにシッポを上げ、ビリーロがまた歩きはじめました。

 着いたところは、ランチ営業が一区切りしたレストランのテラス席です。椅子で、友だち猫が昼寝をしていました。

 この日は、日が照ったり小雨がぱらついたりで、猫たちは快適な場所を求めてあちらこちら忙しそうに移動していました。「人間も上着をきたり脱いだりせわしない。この寒暖差は、山あいにあるマッジョーレ湖の特徴なのよ」と教えてくれた土産物店の主人を思い出します。

 椅子の上で寝ていた猫ですが、日があたって暑くなってしまったのでしょう。今度は椅子から降りてテーブルの下の日陰で長くなっていました。