大学院レベルの推論でChatGPT超え

 文章の処理力以外にも特徴があります。アンソロピックによると、Claude3は「推論」や「画像の分析」「多言語処理」にも強みがあるとのこと。

 推論とは、すでに知っている事柄をもとに未知の事柄を予測し、論じることです。アンソロピックは「Claudeは単なるパターン認識やテキスト生成を超えて、複雑な認知タスクを実行できる」といいます。

 生成AIの能力を測定するベンチマークに基づいたアンソロピックの調査では、大学院レベルの推論を測る指標で、Opus(50.4%)、Sonnet(40.4%)の2つのモデルが、ChatGPT-4(35.7%)を上回りました。大学の学部レベルの専門知識を測る指標でも、Opus(86.8%)、がGPT-4(86.4%)を超えています。

 さらに、画像の分析力が高いのも特徴といわれます。Claude3には画像ファイルや文書ファイルなどをアップロードすることができます。アップロードして、ファイルの内容に関する質問や指示を入力すれば、生成AIがそれに沿った回答を出してくれます。

(写真:Robert Way/Shutterstock.com

 アンソロピックによると、「手書きのメモからグラフ、写真などほぼすべての静止画像を転写して分析する」そうです。例えば、グラフの画像を送ると、そのグラフから読み取れる傾向などを分析してくれます。

 また、スペイン語や日本語、フランス語などの「英語以外の言語での会話における機能の向上」(アンソロピック)も特徴の1つです。

 実際、利用者からは、自然な形でやり取りできると日本語能力の高さを評価する声があがっています。指示の仕方は工夫する必要がありますが、「アニメのキャラクター風」など様々な文体で文章を出力したり、「日本語能力試験で最も易しいN5レベル」など、出力する文章のレベルを指定したりできるようです。