(英エコノミスト誌 2024年3月9日号)

ホワイトハウスはもっとバリアフリー工事を進めなければならない

第3党候補、トランプ前大統領の裁判、そして両候補の年齢が著しい不確実性をもたらす。

 ついに構図が決まった。予備選が集中するスーパーチューズデーを経て、2024年の米大統領選挙はリターンマッチになることが明確になったようだ。

 大統領経験者が現職の大統領に挑むのは1912年以来初めてだ。

 候補の2人はいずれも非常に有名だが、それでも有権者の約12%はどちらに投票すべきか決めかねている。

 接戦になりつつある今回の選挙戦に決着をつけるのは、これらの浮動票かもしれない。

僅差の大統領選、数万票が世界を変える

 2000年より前の6回の大統領選挙では、一般投票における勝者と敗者の得票率の間に平均で9ポイントの差があった。

 2000年以降の計6回の選挙ではこれが3ポイントにとどまっている。

 これでもまだ、最近の大統領選挙がどれほどきわどい勝負になっているかを十分に伝えられない。今年11月の一般投票で両者が競り合うのはわずか6州にとどまる。

 前回の選挙では約1億6000万人の米国民が投票したが、天下分け目の舞台になったウィスコンシン州を制したジョー・バイデン氏の得票数は、ドナルド・トランプ前大統領のそれを2万票しか上回っていなかった。

 総投票数の0.013%だ。ここまで接戦になると、入力のわずかな違いが世界を変えるほど大きな影響をもたらす場合も出てくる。

 そのため、以下に掲げる10個ほどのポイントはいずれも、選挙戦をバイデン大統領に有利にする可能性とトランプ氏に有利にする可能性の両方を秘めている。

 まず経済、国境問題、人工妊娠中絶の争点がある。

 投票率や投票してもらうための説得活動、献金者、ボランティアなども重要だ。

 だが、今回の選挙では、これらのほかにも不確実性の大きな源泉が3つある。