デジタル庁も対策、マイナカードを活用
チケット転売の問題には、デジタル庁も対策に乗り出している。デジタル庁は1月、東京ガールズコレクション実⾏委員会(W TOKYO)が3月に開催する『第38回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2024 SPRING/SUMMER』において、マイナンバーカードを使った不正転売防止の仕組みを検証する実証実験を実施すると発表した。チケット購入及び入場時にマイナンバーカードで本人確認を行うことで、不正な大量購入や高額での転売を防止する可能性などを検証する。
デジタル庁は2023年9月にも、チケット販売のぴあと協力して、転売防止に加え、イベント内でのアルコール提供や特別エリアへの入場制限にマイナンバーカードを活用する実証実験を実施している。
広がる転売防止対策、NFT活用も
2023年3月には、音楽配信のレコチョクも新たなチケットサービスとなる『レコチョクチケット』を提供。デジタルチケットにNFT(非代替性トークン)技術を採用し、転売防止だけでなく、チケットそのものにコンテンツを付与したり、2次流通をコントロールしたり、様々な使い方ができるようにした。
さらに警視庁は2023年10月、不正転売防止に向けて日本演劇興行協会をはじめとする業界団体と協定を締結。不正が疑われる購入者についての情報共有などを行うとしている。
不正転売をなくさなければ、本当にイベントに参加したいファンにチケットが行き渡らなかったり、犯罪の温床になったり、エンターテインメント業界の健全な発展の足かせとなりかねない。新たな技術を積極的に活用するなどして、ファンに負担をかけない形で不正転売を減らしてもらいたいものだ。