2030年代、地方局を舞台に再編、「1局2波」時代へ

 シンクタンクによるシミュレーションによると、一部の地方局は2025年にも経営に「黄信号」が灯り、2030年には経営破綻を示唆する「赤信号」が点滅するという。

 地方のテレビ局は、2030年代に迎える危機を乗り越えられるのだろうか。

 筆者は2030年代に地方局を舞台とした再編が起こるのではないかと予測している。その中の主な動きとして、AとBのふたつのテレビ局が合併してひとつの局Cとなり、ふたつのチャンネルを持つ「1局2波」への移行が進むとみる。さらに、地方から起こった再編はやがて東京でも始まると予測している。

 今や「オワコン」だと言われることもあるテレビ。スイッチを入れれば映像や音声が流れてくるのが当たり前のように思っているメディアの先行きはどうなるのか。ニュースから娯楽まで、あらゆるコンテンツを提供してきたテレビ局の行方は、私たちのメディアの接し方にも大きな影響を与えることになるだろう。

テレビ局再編』(根岸豊明著、新潮新書)