香港にある離島、坪洲島は人通りが少なく静かです。町のはずれにある公園に、白い猫がぽつんと取り残されたように座っていました。左右の目の色が異なるオッドアイです。

「君は、オッドアイなんだね」と話しかけると、「それが、何か?」と、クールな表情でこちらを見てくれました。

 バルカン半島の国モンテネグロのコトルに着くとちょうど晴れあがりました。こちらの猫は毛繕いをしていました。壁にもたれている姿がどことなく横着そうに見え、表情も不良っぽくていい感じです。

 同じくコトルの猫です。鳥が落とした小さな羽毛が舞い上がったところをキャッチ。猫の野生が垣間見られました。

 いろいろなポーズをキメる猫たちは、それぞれ工夫を凝らしていて可愛いですね。私のベストワンは、イタリア、サルデーニャ島のアルゲーロで出会った猫です。

「見て、見て。僕は、こんなこともできるんだよ」と、海岸の岩の上をひっくり返ったまま、ずりずり移動していました。「すごい技だね!」とほめると、とろんとした眼差しになり、とても満足そうでした。

新美 敬子
にいみ けいこ(ウィキペディア) 愛知県豊橋市生まれ。犬猫写真家。世界を旅して出会った猫や犬と人々との関係を写真とエッセイで発表し、人気を得る。30年以上にわたり年に数回、海外へ撮影旅行に出かけている。代表作『旅猫』(講談社・フォトルピナス)をはじめ、『マルタの猫』『すて猫カテキン』『猫の旅 地中海』『犬を旅する。』『世界の看板にゃんこ』(すべて河出書房新社、電子版あり)、『猫のハローワーク』『猫のハローワーク2』『世界のまどねこ』(講談社文庫)など、著作は60作を超える。ブログ「世界のまどねこ」(うちの猫や旅先で出会った猫、犬の写真。ほぼ日記。)はこちら

■2年前に実施した前回のグランプリはこちら
一番の男前はだれ?ボス猫世界選手権を開催!
一番だらけているのはだれ?ぐうたら猫世界選手権
美柄・変柄、個性豊かな三毛猫世界グランプリ
どの猫がかっこいい?キメポーズ世界グランプリ
なかよし猫たちの「ツーショット」世界グランプリ
どの店に行きたい?招き猫世界グランプリ
住宅地、港、庭の花…猫はどんな風景にも映える
かっこよくて賢い、世界で出会った表情豊かな犬たち
猫写真をもっと見る