セルフネグレクトと無関係ではない「孤独死」

 ゴミ部屋の住人になってしまう人は、そうした物をため込むタイプや、元来のズボラな性格であるということ以外に、生活環境や健康状態を維持する能力・気力を失い、健康や安全を損なう、いわゆる“セルフネグレクト”の状態に陥ってしまっている人もいる。

セルフネグレクト状態に陥ってしまっている人も(写真はイメージ)

 セルフネグレクトの要因は、経済的困窮、身体機能の低下、社会的孤立、判断力低下などさまざまあり、孤独死の原因の一つともされる。

 お年寄りに多いと思われがちだが、非正規雇用やワーキングプアの増加による生活苦、将来への不安、コミュニケーション不足などといったストレス要因により、最近では若者にも増えているという。

 依頼者たちを一概にセルフネグレクトであると軽々に論じることはできないが、それに近いような、あるいは一歩手前の状態の人も多いのではないかと感じた。

 セルフネグレクトは、生活環境や健康状態が悪化しても、他人や行政など周囲に助けを求められない状態だとされている。その実態を詳細に把握するのは難しいだろう。

「ゴミ部屋を片付けていると、ふと孤独死してしまった方々のことを考えてしまうことがあります。セルフネグレクトは、生活環境や健康状態が悪化しても、他人や行政など周囲に助けを求められない状態だと聞きます。行政等が把握しているより、実際はもっと数字が多いのだと思います。

 セルフネグレクトと孤独死は決して無関係ではありません。ゴミ部屋の住人=孤独死ではないですが、孤独死をしてしまった人はゴミ部屋の住人が多いのは事実です。冬場は、すぐに臭気や蛆が発生する夏場と違って、異変に気づきにくい危険な季節です。きれいごととはわかっていますが、声がけ一つで変わる何かもあるのかな、と思います」

 助けを求めることもできない人には、こちらから声をかける必要がある。そのために一歩踏み出すことは、相手だけでなく自分の支えにもなるのかもしれない。