2025年大阪・関西万博をPRする公式キャラクター「ミャクミャク」(写真:共同通信社)2025年大阪・関西万博をPRする公式キャラクター「ミャクミャク」(写真:共同通信社)
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 守って勝った大将なし――。岡山を拠点に鉄道やバス、フェリーなどの公共交通を担う両備グループの小嶋光信代表が、年頭の辞で打ち出した姿勢だ。運輸交通業界はいま、ドライバー不足に伴うヒト・モノの流れの停滞「2024年問題」への対応が待ったなしの状況にある。そんな中、両備グループが展開しているのが、乗務社員200人を募る大規模採用プロジェクトだ。「宇宙一本気(マジ)」と銘打った、攻めの姿勢しかないこのプロジェクト。大きく出た理由は何か。2024年問題にどんな危機感を抱いているのか。そして、人口減が進む中での地方公共交通の将来をどう描いているのか。プロジェクトを推進する両備グループ・トランスポーテーション&トラベル部門の大上真司・副部門長に聞いた。<#2/全2回>

(聞き手:河合達郎、フリーライター)

万博だからと言って日常を止めるわけにいかない

――2024年問題が迫り、ヒト・モノの停滞が懸念されていますが、2025年には大阪・関西万博、2026年には愛知でのアジア大会が控えています。ビッグイベントにおける輸送面の課題はないのでしょうか。

両備グループ・トランスポーテーション&トラベル部門 大上真司・副部門長(以下、大上氏):大阪・関西万博における人員輸送の問題は、業界的には「2025年問題」とも言えるでしょう。

 大阪万博では来場されるお客さまのほか、スタッフやボランティアなど多くの方の輸送がかなりのボリュームで発生してきます。一方、こうした特別なビッグイベントに加え、日常は日常で動いていきます。

 万博とは関係がない通学や通勤といった日常を止めるわけにはいきません。関西への修学旅行も、万博があろうがなかろうが、日常的にあることです。こうしたベースの上に、万博における輸送を検討しなければなりません。

 大阪万博では、ご来場されるお客さまだけで見ても、半年間で2000数百万人という方の輸送が発生すると見込まれています。ありとあらゆる交通モードのミックスでやっていくわけです。

2025年大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲で進む建設作業(写真:共同通信社)2025年大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲で進む建設作業(写真:共同通信社)
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 ドライバー不足が言われている中で、かなり広域に事業者が連携をとって、みんなで助け合っていくということをやっていかないと間に合いません。大阪万博への準備が本格化するにつれ、旅行代理店さんからのご相談も増えてきました。

――万博に限らず国内ではビッグイベントがときどきあるわけですが、運輸交通業界ではどのように乗り切っているのでしょうか。