(写真:AP/アフロ)

 米アップルは米国で腕時計型端末「Apple Watch(アップルウオッチ)」最新機種の一部機能を削除して、販売を継続する意向だ。

 対象となるのは、2023年9月に発売した、最新機種「Series 9」と冒険家やスポーツ選手などを対象とした高機能最新機種「Ultra 2」に備わる、血中酸素濃度測定機能だ。

 米国ではこの機能を作動させないようにソフトウエアを修正して、輸入禁止命令を回避する。これにより、法廷闘争中もこれら機種の輸入を継続することができる。アップルによると、同社は24年1月18日に米国で修正版Apple Watchの販売を再開した。

米国際貿易委員会が米国への輸入禁止命令

 米CNBCなどによると、アップルは長年にわたり、米医療器具メーカーのマシモ(Masimo)との特許侵害訴訟に直面してきた。

 米国際貿易委員会(ITC)は23年10月、Apple Watchのパルスオキシメーター機能が、マシモの特許を侵害しているとして米国への輸入禁止命令を出した。

アップル、販売停止し米政府の判断待つ

 これを受け、アップルはその期日を待つことなく、同年12月21日から最新2機種の米国での販売を順次停止した。

 バイデン米政権はITCの決定を覆す権限を持つが、米通商代表部(USTR)は同年12月26日、「命令を覆さないことを決めた」と発表。2機種の輸入禁止が最終決定されたことを受け、アップルは連邦巡回控訴裁判所に不服を申し立てた。