9日になると米USAトゥデーがこのことを記事で取り上げたが、この時点ではまだ依頼企業の名は明らかになっていなかった。
11日の遅い時間、ニュースサイトの米デーリー・ビーストが、バーソンの顧客がフェイスブックであることを突き止めたと伝え、翌日、フェイスブックとバーソンが両社の間で取引があったことを認めた。
フェイスブックの広報担当者は、「グーグルを中傷する意図はなかった、既に公になっている情報を使って、この問題に関心を持ってもらいたかった」と釈明した。
一方バーソンはウェブサイトに掲載した声明で、「その顧客(フェイスブック)は、公になっている情報をいま一度注目させることだけを前提に、名前を伏せるよう依頼してきた」と説明。
「しかしこれは我々の業務規定に反しており、このような条件で依頼を受けるべきでなかった。我々がメディア企業に接する際はクライアントを明らかにすべきで、今回の事件はその原則が重要であることを再認識させた」と述べた。
グーグル、力ずくでデータ収集か?
「グーグルはフェイスブックが許可していないユーザー情報を勝手に集めている」というのがフェイスブックの主張で、同社はそのことを広く知らせたかったようだ。それにしてもこの問題、今後も尾を引きそうだ。
ユーザーの滞在時間を増やしたいグーグルは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)への展開を進めており、フェイスブックの顧客データを欲しがっている。しかしフェイスブックはそれを頑なに拒否している。
昨年の11月、グーグルのエリック・シュミット氏は、「当社はフェイスブックのアドレス情報にアクセスしたいと考えている。そうすれば当社のユーザーはグーグル内でも交流関係を拡大できる。もしフェイスブックが我々の希望に応じてくれない場合、当社は代替手段を用意している」と述べていた。
