輸送能力、2030年度に人手3割不足も
「2024年問題」への対策を一切講じない場合、営業用のトラック輸送能力が2024年度に従来の14%(4億トン相当)、30年度には34%(9.4億トン)不足するとの試算があります*4。これまで通りにモノが運べなくなったり、原材料の輸送が困難になればモノが作られなくなったりする可能性があります。年々増える電子商取引(EC)サイトの需要拡大も背景に、物流を必要とする多くの消費者への影響も避けられません。
*4:持続可能な物流の実現に向けた検討会 最終取りまとめ(経済産業省)
また、運送業者が経営難に直面することも懸念されています。ドライバーの労働時間の短縮よる輸送量の減少が売り上げの減少を招く可能性があるからです。さらに、月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金の基準は50%以上と、従来の25%以上から引き上げられたことで、人件費高騰による利益の減少も懸念されています。こうした状況が物流・運送業界の人手不足に拍車をかける可能性もあります。