2024年から何が変わる?

 岸田文雄首相は、自身が目指す「新しい資本主義」の中で「資産所得倍増計画」を掲げています。新たなNISAは、その柱の一つに位置付けられています。

岸田首相は9月、米ニューヨークで講演し資産運用への海外勢の参入を促した(写真:AP/アフロ)

 現行のNISAは、投資枠の少なさや非課税期間の短さ、「つみたてNISA」と「一般NISA」を併用できずどちらかを選ばなければならない、といった使い勝手の悪さが指摘されてきました。そこで岸田首相は、資産所得倍増計画の一環として、NISAの投資枠拡大と非課税保有期間の恒久化などを打ち出しました。それが、2024年から実施される「新NISA」です。

 新NISAでは「つみたてNISA」と「一般NISA」の区別がなくなり、新たに「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が設定されます。この2つの投資枠は併用が可能です。

「つみたて投資枠」は年間120万円、「成長投資枠」が年間240万円で、非課税保有期間はともに無期限になります。非課税保有限度額は、つみたて投資枠と成長投資枠の合計で1800万円まで拡大し、そのうち1200万円まで成長投資枠に活用できます。

 新NISAの開始に伴い、現行のNISAは2024年以降の新規の購入ができなくなります。

 現行NISAの口座開設数は、2023年6月末時点で約1940万口座となっています。岸田首相は2027年までに、3400万口座に引き上げる目標を掲げています。