新築のタワマン購入者は自己資金の増額を求められるケースも

 なかでも特に注意が必要なのが、超高層のタワーマンションや大規模マンションの購入を考えている人である。

 というのも、住宅ローン金利は融資を申し込んだときの金利ではなく、物件が完成して引き渡しを受け、融資が実行されるときの金利が適用されるからだ。

 中古住宅や完成済みの物件であれば、すぐに入居できるので申し込み時点と融資実行時点の金利差はさほどないだろうが、大規模マンションや超高層マンションだと完成、引き渡しが1年先、2年先という物件も珍しくない。超大規模なマンションだと3年先というケースすらある。

 そうなると、申し込み時点の金利と実際に適用される金利に大きな差が出てくる可能性がある。いや、可能性というより、現在の金利情勢を考慮すれば、金利が上がってしまうと考えておくのが妥当だろう。

 返済負担が大幅に増えることを前提とすると、返済額のシミュレーションを行うときには、申し込み時点の金利だけではなく、0.5ポイント上がった場合、1ポイント上がった場合でも返済に問題がないかどうか確認しておく必要がある。

 新築マンションの場合、引き渡しの1カ月程度前に説明会が行われ、そこで改めて住宅ローンについても金融機関から説明されることになる。その時点で金利が上がり、返済額が増えることになれば、当初の予定通りの金額の融資を利用できず、自己資金の増額を求められるケースも出てくる。