わたしが「あのちゃん」を知ったのは、フジテレビの「呼び出し先生タナカ」という番組である。司会はアンガールズの田中卓志で、田中はわたしが好感を持っている数少ない芸人のひとりである。
「あのちゃん」はタレント兼歌手らしいが、テレビ局はちょっとでも世間で話題になった人間は、なんでも出すようである。わたしは嫌いではない。
彼女はまた、現場まで足を運んで直に応援する人たちの応援は選手たちにとって力にはなるだろうが、「家からSNSでパワー送りますって言ってる人たちは、何言ってんだろ?」とじつに正しいことをいっている。
サッカーの試合で、応援団たちが一斉に両手を前に突き出し、手のひらを下にして指先をひらひらさせる光景を見ることがあるが、あれはなんのおまじないか? パワーを送っているつもりなのか。
テレビ局もスタジオかどこかに視聴者を集め、バカなアナウンサーが皆さんでパワーを送りましょう、といったりすることがあるが、同罪である。テレビではいまでもパワースポットだのパワーストーンだのといい、滝のしぶきを見れば、マイナスイオンとかいってるのである。
パワーストーンといって騒ぐ人も、半分はインチキだとわかっているのだろう。後の半分は、ほんとに効き目があればいいと思っているのかもしれない。しかしこんなインチキを半分であれ信じる意識が、インチキ宗教の何百万円もする壺に騙される土台になっていなければいいのだが、
芸能人を利用する意味はなんなのか
わたしはバレーボールはほとんど見ない。しかしスポーツ人気の盛り上がりの流れで、来夏のパリ五輪予選を兼ねたバレーボールW杯まで見てしまった。残念ながら女子はあと一歩でパリ出場権を獲得できなかったが、男子バレーは8か国中2位になり見事出場権を獲得した。試合内容も意外におもしろかったのである。
バレーボールで浮き彫りになったことがある。長年フジテレビがジャニーズのタレントをタイアップで利用していたことである。わたしは以前から、バカじゃないかと思っていた。試合前に若手のジャニーズが歌うのである。