戦後の日本を元気づけた功労者

 残念ながら、笠置の人気がピークだった当時の映像が少なく、笠置と同世代だった日本人が激減する今世紀になると知名度もさらに減少、「歌謡界の女王」美空ひばりとは知名度で大きく差をつけられていますが、終戦後の混沌とした時代、日本が独立するまでの日本に生気を与えてくれた稀有なエンターティナーこそが「ブギの女王」、笠置シヅ子でした。

 10月から笠置シヅ子をモデルにしたNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』が放送されていますが、ブギウギという言葉を耳にしてまず連想されるのが、笠置の代表曲『東京ブギウギ』でしょう。

 戦前から笠置と二人三脚で日本の流行歌にジャズの雰囲気を取り込もうと試行錯誤を繰り返していた服部良一の傑作です。

 この曲が発売されてからすでに76年経ちますが、ごく最近では夏木マリ、渡辺美里、それ以前にも福山雅治や氷川きよしら多くのミュージシャンによってカバーされたことからもわかるように、戦前生まれの世代だけでなく広い世代にわたって知られる、日本のスタンダード歌謡になっています。