消費者ローンの拡大は、この危機に対応する銀行の新しい戦略といえるだろう。多くの銀行が、消費者ローンの利率を下げ、借り入れ審査期間を短縮している。
消費者ローン拡大が続くのか?
ただ、次の2つの理由から、今後消費者ローンがさらに拡大はしないだろう、と筆者は見ている。
一つは、個人破産が認められるようになったことだ。中国では企業などの法人の破産は認められていたが、個人の破産は2023年になって初めて認定されるようになった(深圳试水个人破产,谁能借此摆脱债务?)。消費者ローンもこの影響を受ける可能性があり、銀行は個人への融資に慎重になるかもしれない。
もう一つは、中国の消費がまだ完全に回復していない点だ。象徴的な現象が、一度消えかけた激安店が再びビジネスとして復活していることだ。「10元店」や「2元店」(いわば100円ショップのようなもの)といった激安店の出店が増えていて、現在非常に活気を帯びている(十元经济重回巅峰时代,它为什么总能吸引你买单?)。
安いものを求める傾向があるということは、消費経済が以前のようには戻っていないことを示しているだろう。
今後消費者ローンが拡大するかどうかは、中国の消費経済全体がどうなるかに大きく左右されそうだ。