すでに多くの金融機関が、仲介業者やアウトソーシングによる消費者ローン勧誘を行わないと宣言し、注意喚起を行っている。次の画像は、事実確認が難しく、名前を悪用されやすい、地方の中小金融機関から声明である。
ただ、「高い住宅ローンから低利の消費者ローンへの乗り換え」や「素早い融資審査の実行」などは、現在の多くの中国消費者層にとって魅力的に聞こえる条件に感じられるのも確かだ。
実際、中国全体で消費者ローン(一般消费性贷款)は顕著に増加している。中国国内の各種報道によると、消費者ローンの貸付高は2023年6月末で約18兆元に達しており、前年同期比で約12%以上の増加だ。
では、消費者ローンセールスが活発になっているのはなぜなのだろうか?
消費者側の需要よりも金融機関の事情
中国では貯蓄志向が強まっている。この1年間で国内銀行の預金額は11%近く増加しているのだ。都市住民を対象にした調査によると、調査対象の58%以上が今後も貯蓄を増やしていきたいと考えているという(央行最新问卷调查来了!二季度居民储蓄意愿回升,更倾向于投资银行、保险公司理财产品)。これまで消費文化を支えてきた都市住民が、消費より貯蓄を優先し始めた状況を考えると、消費者ローンの増加は需要側(消費者)に要因があるようには思えない。